準備したのに意味なし?地域支援副業で学んだ“臨機応変力”の重要性
「副業は本業以上に“準備”が命」と思っていた私が、地域の中小企業支援という現場で経験した、まさかの“準備が裏目に出る”出来事。
相手にとってベストだと思って用意した提案が、現場ではあっさり無力化された体験から、私は副業における“臨機応変力”の大切さを痛感しました。
この記事では、準備をしすぎたことによる失敗の実例と、そのなかで得た気づきや、現場で信頼を得るために必要なスタンスについてお伝えします。
この記事で得られること
- 地域企業支援の副業で直面しがちな“想定外”のリアル
- 資料や提案が無意味になる背景とその理由
- 「準備」よりも大事な、“相手と一緒に考える力”の重要性
- 柔軟で信頼される副業パートナーになるための具体的な考え方
「完璧な準備」が、まさかの空振りに終わった日
副業として、地域の中小企業支援に参加したときのこと。
私は、「副業で関わる以上、限られた時間で最大の成果を出すべき」と考え、先方の過去のヒアリング内容や課題感を分析したうえで、提案資料やアイデアをしっかりと準備して臨みました。
実際に支援先に伺うと、経営者の方から開口一番に出た言葉は…
ごめんね、ちょっと方向性が変わっちゃってさ。
なんと、こちらが準備していた販路開拓やPR支援の話から一転、「今は人手不足が深刻で、新規事業どころじゃない」とのこと。
資料も、プランも、すべて的外れになってしまいました。
私は頭の中が真っ白になり、かえって話を仕切り直すこともできず、用意してきた内容にしがみつくような形で場を進めてしまいました。
結果、支援先にとって有意義な時間とは言えず、「今日は話、あんまり噛み合わなかったね…」という残念な空気のまま、定例訪問は終了。
地域の中小企業は「変化が前提」
後から振り返ってみると、なぜこうした事態が起きたのか、原因ははっきりしていました。
地域の中小企業は、想像以上に「変化が激しい」存在です。
特に以下のような要因から、わずか数週間で課題や優先順位が変わることが多々あります。
- 経営判断のスピードが非常に早い(社長がその場で決める)
- 少人数ゆえに人材の出入りが影響を及ぼしやすい
- 仕入れ先や取引先の変化が即座に業務に響く
- 資金繰りや行政対応など、突発事項が頻発する
私が支援していた企業も、月2回の定例に合わせて訪問していましたが、「前回からの2週間」で状況がまったく別物になっていることも珍しくありませんでした。
「準備してきたから…」という気持ちが、信頼を遠ざけることもある
このとき私は、せっかく作った提案資料や、練り込んだ施策アイデアを「無駄にしたくない」という思いが強く、なんとか活かそうと試みました。
でもその“こだわり”こそが、相手の話をしっかり聞けない原因になっていたと気づきました。
企業側は、「今まさに困っていること」に向き合いたい。
それに対して、こちらが“前回の延長線上”の資料ばかり見せていては、「自分たちの状況をわかってくれていない」と思われても仕方がありません。
準備は大事です。でも、「その通りに進める」ことを目的にしてしまうと、相手のニーズとの間にズレが生じます。
副業だからこそ、必要なのは“伴走者”のスタンス
私がこの失敗から学んだのは、「副業だからこそ、準備だけでなく状況に応じて柔軟に対応する力が求められる」ということです。
- 資料が不要と感じたら、即座に引っ込める勇気
- その場で状況を聞き取り、アイデアを再構成する柔軟性
- 「こうすべき」よりも「一緒に考えましょう」という姿勢
こうしたスタンスのほうが、結果的に信頼され、次回以降の支援にもつながります。
副業は“成果を出す”ことが第一に語られがちですが、信頼を築けなければ継続にも発展にもなりません。
まとめ|「準備しつつ、こだわらない」力が副業を進化させる
副業における中小企業支援では、「完璧な準備」が役立たないこともあります。
むしろ、「状況が変わることを前提にし、臨機応変に対応できるか」が問われる現場でした。
今回の失敗は、私にとって痛みを伴うものでしたが、
「準備しつつ、こだわらない」
という副業マインドを得られた、貴重な学びでもあります。
地域支援の副業に限らず、すべての副業パートナーに求められるのは、“ともに考え、ともに動ける存在”なのだと思います。