副業や業務委託、プロジェクト支援の現場では、「まずは3カ月契約から」というケースが多くあります。ですが、この“お試し期間”をどう過ごすかで、その後の信頼や契約更新の可否が大きく左右されます。
今回は、3カ月契約を最大限に活かすために「計画に時間をかけすぎず、早く成果を見せる」ことの大切さと、クライアント側のメリットについてお話しします。
計画に時間をかけすぎると、3カ月があっという間に終わる
最初の契約だからこそ「丁寧に計画を立てよう」と思うのは自然なことです。ですが、計画に1〜2カ月かけてしまうと、動き出した頃にはもう契約終了間近ということにもなりかねません。
これは非常にもったいない。
最初の1カ月で「成果が見えやすいこと」を見つける
私がおすすめしたいのは、最初の1カ月でざっと全体像をつかみ、成果が出やすい部分を早めに見つけて、小さく実行していくこと。
完璧な設計図を引くのではなく、まずは試しに動いてみる。そこから得た反応をもとに、次の一手を考える。このような動き方のほうが、柔軟に、そしてスピード感を持って価値を届けることができます。
クライアントにとってのメリットは「社内の負担軽減」と「意思決定のしやすさ」
1. プロジェクト参加社員の負担が軽くなる
プロジェクトに関わる社員の多くは、本業(通常業務)を抱えながらの兼務というケースが一般的。その中で、外部支援者が小さなテーマで早めに着手・成果共有を繰り返すスタイルで進めると、社員側も無理なく関わることができます。
2. 効果の兆しが早く見える
動きが早ければ、1〜2カ月目の段階で「効果がありそうなこと」や「課題」が見えてきます。これは、社内報告や上層部への説明の場で非常に役立ちます。
3. 意思決定がスムーズになる
プロジェクトの方向性や必要なリソース、今後の支援内容についても、早期に判断材料がそろうため、2カ月目の時点で次のステップを見据えた意思決定がしやすくなります。
4. 契約更新の判断がしやすくなる
契約満了が近づく3カ月目に、「この人(チーム)と続けたほうが良いか」の判断が必要になります。その際、すでに実行と改善を繰り返した実績があると、信頼や期待感を持って判断してもらえる可能性が高まります。
3カ月契約を最大限活かす流れ(理想のタイムライン)
期間 | 主な内容 |
---|---|
1カ月目 | 課題整理/成果が出やすいテーマを抽出/小さく実行開始 |
2カ月目 | 本格実行/検証・改善/関係者との調整や共有 |
3カ月目 | 成果の提示/改善案・次フェーズ提案/契約更新の判断材料提示 |
「動きながら考える」はプロの判断
支援者として最も大切なのは、クライアントに価値を返すこと。
そのためには、「しっかり準備してから動く」のではなく、「動きながら整えていく」という柔軟さが求められます。
小さく始めることにリスクはありません。むしろ、「小さく始めて早く見せる」ことで信頼を築けるのが、現場での実感です。
まとめ:スピードは信頼につながる
3カ月の契約期間は、あっという間です。
その中で、成果が見えやすいことを早く見つけて、動く。クライアントの社員の負担を減らし、社内報告や判断材料にもなる。結果として「またお願いしたい」と思ってもらえる可能性も高まります。
「動かないまま終わる3カ月」ではなく、「信頼を得るための3カ月」に。その第一歩は、「計画に時間をかけすぎない」ことから始まります。